2015年7月8日

「新国立競技場」と「なでしこジャパン」

問題だらけの「新国立競技場」建設問題。

NHKニュース 新国立競技場改築費 2520億円で決定
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150707/k10010142211000.html
2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場について、運営するJSC=日本スポーツ振興センターが開いた有識者による会議で、改築費は斬新なデザインにこだわるなどした結果、当初よりも900億円多い2520億円になることが決まりました。膨大な建設費に批判が集まるなか、5年後に向けた計画が進められることになりました。

2500億超もの費用を掛けて建設するそうですが、これって異常な金額だということに気付かないんでしょうか。バブリーだった2008年の北京オリンピックの競技場建設費用、前回開催のロンドンの競技場建設費用と比べても桁が違ってしまっています。ハコモノ好きなんですねぇ。

しかも建設しちゃってからが大変で、
このほか、維持費など改修費が完成後50年間で1046億円と去年の試算より400億円近く増えたことも明らかにしました。
50年間で1046億ものメンテナンスコストですよ。孫子の代まで負の遺産ってことですか。

文科省が監督官庁なので、サッカーくじ(スポーツ振興くじ)のtotoなどからも費用を捻出する予定だそうですが、これってくじの目的を逸脱してませんか?

スポーツ振興くじってなに?(成り立ち・運営体制)
http://www.jpnsport.go.jp/sinko/josei/tabid/61/Default.aspx

スポーツ振興くじが目指すスポーツ振興政策
1. 誰もが身近にスポーツに親しめる環境の整備週休2日制、学校週5日制、高齢化社会などに対応し、子どもからお年寄りまで、家族や仲間で身近にスポーツに親しめる環境づくり
2. トップレベルの選手の国際的競技力向上のための環境の整備ナショナルトレーニングセンターなど、オリンピック等の国際競技大会で活躍する選手強化のための拠点整備
3. 国際的スポーツ活動への支援 我が国で開催されるオリンピック競技大会、アジア大会、ワールドカップサッカー等の国際的なスポーツ大会の開催の支援
4. スポーツ指導者の養成、資質の向上スポーツに親しむ人が、いつでも、気軽に、優れたスポーツ指導者による指導を受けられる体制の整備
新しい国立競技場が「選手強化のための拠点整備」とは到底思えません。

FIFA女子ワールドカップ カナダ大会で準優勝となった「なでしこジャパン」ですが、キャプテンの宮間が『ブームでなく文化になるように頑張りたい』と発言したことが報じられていますが、FIFAワールドカップやオリンピックの時だけしか報じないマスコミへの当てつけなんじゃないでしょうか。
男子ですらJリーグの試合中継は有料放送任せで、代表チームの試合だけが中継放送されているという寂しい状態ですもんね。

認知度は高いはずなのに競技人口が少ない、特に女子サッカーは競技人口が少ないという点を指してのあの言葉なんでしょうが、大きな試合だけ取り上げて騒ぐマスコミへの皮肉なんじゃないかなと思えます。

NHK総合のクローズアップ現代でも報じられていますが、今回の代表選手ですら別の仕事をしながらの状態。USやドイツのようにプロで食べていけるような環境になっていません。(そういう意味ではアマチュアの日本代表がプロのUS代表に対して善戦したとも言えるのでは?前回のドイツ大会では認知度の低いまま勝ち続け、優勝したんだから奇蹟的だったと言えます)

こういう部分に対する支援をするのがスポーツ振興くじの役割であって、決してハコモノの維持費捻出に使われるものではないと思う次第。

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