2012年5月10日

NHK総合 ドラマ10 - "開拓者たち" 全六回

NHK総合で放映されたドラマ「開拓者たち」全六回の放送が終了しました。

NHK 開拓者たち
http://www.nhk.or.jp/program/kaitaku/


戦前、旧満州(中国東北地方) へわたり、過酷な逃避行と避難生活を体験した末に帰国、戦後の日本で、新たな農地の開拓にたくましく挑んだ人々の物語。
BSプレミアムで1月に放送した全4回のシリーズを、好評にお応えし、新しい素材も加えて再編集した48分版、全6回のシリーズです。 

BSで放映したものと同じだと思っていたら再編集しての地上波放送だったようですね。
BSプレミアムでの放映時は最初だけ観て重すぎるテーマに参ってしまったんですが、地上波での全六回はすべて観ることに。
海を渡った「花嫁たち」が満州で夫となる男性とはじめて会うシーンなどはあっさり編集されてましたね。その後のシーンとあわせ、結構意味のあるシーンだと思ったのですが。


主人公の出身地設定が「宮城県」ということ、実家のある水戸(合併前は内原)には「満蒙開拓青少年義勇軍内原訓練所」があったこと、母型の祖母(祖父は職業軍人)が生前に「満州に行くことも考えたことがある」と言っていたことなどなどがあり、軽く流して観ることができない重いドラマでした。

戦後、那須に入植した方々の話をベースにしているけれど、「二度」(満州と戦後)の開拓ということ。
那須に入植した方々は苦労の末に牧場経営が軌道に乗り、ドラマとしてはハッピーエンド。成功例なんだと思っています。

同じ引き揚げ者たちの入植した青森県六ヶ所村(むつ小川原)、千葉県成田の三里塚(成田空港)も同様は国の政策に翻弄された方々の歴史。(ドラマ化されることはないだろうなと思います)

戦前の農村の貧しさから満州へ入植。戦後たいへんな目に遭いながら帰国しても戻る場所は無く様々な場所へ入植。豊かな土地であるはずもなく、軌道に乗せるまでに大変な苦労。

シベリア抑留、「残留日本人」が生まれた経緯、入植者を放り出して日本に逃げた連中がのうのうと恩給をもらっているなどのメッセージはしっかり入っていました。


再編集の上での放送という(異例の)パターンだったわけですが、戦前の農村の貧しさは描かれていたけれど、なんでそんなに貧しかったのか?という部分をもっと伝えてもよかったのではないのかなと。(国家予算に占める「軍事費」の割合や「植民地経営」の結果であることなど)
こういうテーマになるとドラマよりも報道系の番組になるんでしょうかね。

こういうドラマを制作したNHKに対し、『中国寄り』だという意見もあるのでしょうが、実際に肉親から戦前、戦中、戦後の話を聞いているとそういう問題じゃないんだよなと思う次第。

2 件のコメント:

  1. おふくろが内原出身なので、満蒙開拓の話はよく聞いてます。
    テレビを見ることがめっきり減ってしまったので、見逃してしまったのが残念です。再放送はあるのかな?

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  2. 満蒙開拓ってなにそれ?というのが今の時代でしょうね。
    内原のイオンに行く際に裏道を使うと通りしますものね。
    再放送、いまのところは「再放送の予定は、今のところありません。」と書いてありますが、そのうちあるんじゃないかなと思います。

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